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水無月

2021/06/01

月日が流れるのは早く・・・新緑に包まれた5月も終わって、もう6月になりました。
旧暦では、和風月名(わふうげつめい)と呼ばれる月の和風の呼び名を使用していましたが、6月の異なる異称として広く知られているのが「水無月(みなづき)」です。
これから梅雨で雨の降りやすいにも関わらず、なぜ「水が無い」と呼ぶのか不思議に感じたことはございませんか?

この「水無月」という呼び名の由来は諸説あるようですが、有力視されているのが『田に水を引く(入れる)水の月=水無月』というものだそうです。今まで水の無かった田に水を注ぎ入れる頃という意味となります。この時期の雨は稲が実を結ぶために重要なものであるため、豊作を願う人々の思いがこの呼び名に表れている、ともいわれています。

ここで言う「無」は「無い」ではなく、連体助詞「な」という意味で、現代語に置換えると「の」にあたるそうです。それで、水無月=水な月=水の月という意味で使われているとのことです。他にも「水月(みなづき・すいげつ)」「水張月(みずはりづき)」と呼ばれることもあるそうです。

また日本では古くからこのような季節や暦と和菓子が密接な関係をもっています。
6月の旬の食材である稚鮎をかたどった「和あゆ」という菓子や、季節の花である紫陽花を模したお菓子などもありますが、「水無月」と同じ名前の和菓子「水無月」がとても有名です。和菓子の本場、京都では特に親しまれていて、京都人の中には「これを食べずに6月は越せない」という人もめずらしくないということです。氷に見立てた三角形のういろう生地に、小豆をのせた和菓子で、気払い・厄払いにも良いとされています。
ちょっと一息、美味しい水と一緒に「水無月」を召し上がってみませんか?

6月