PFASと水道水
2025/05/01
はじめに
「毎日飲む水は、安全で美味しくありたい」
そんな想いを持つ方は多いのではないでしょうか。私たちが日常的に口にしている水道水ですが、近年その中に含まれる“PFAS(ピーファス)”という物質が注目を集めています。PFASとは何か、そして水道水にどのような影響があるのか…
この記事では、その関係性と対策を解説します。
PFAS(ピーファス)とは?
PFASとは「有機フッ素化合物」の総称で、耐熱性・撥水性・耐油性に優れており、フライパンのコーティングや防水衣類、消火剤など、さまざまな製品に使用されています。
しかし、PFASは自然界で非常に分解されにくく、「永遠の化学物質」とも呼ばれるほど環境中に長く残る性質があります。そのため、環境中に蓄積され、最終的には私たちの体内にも取り込まれてしまう可能性があるのです。
PFASはどうやって水道水に混ざるの?
PFASは、工場からの排水や廃棄物の焼却処理時などに排出され、それが地下水や河川に流れ込むことで水源を汚染します。その水をもとに浄水場で処理された後、私たちの家庭に届けられる水道水にも微量ながら含まれてしまうことがあるのです。
実際、日本国内でも一部地域(例:東京都多摩地域など)で水道水から高濃度のPFASが検出され、問題視されています。多くの人にとって「まさか自分の住む地域が」と驚く内容ですが、決して遠い話ではありません。
PFASによる健康への影響
PFASの中には、長期的な摂取により健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされているものがあります。具体的には、以下のようなリスクが指摘されています。
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肝機能の異常
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コレステロール値の上昇
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免疫系への影響(ワクチンの効果低下など)
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妊婦や子どもへの影響(発育リスクなど)
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発がん性の可能性
「すぐに症状が出る」というものではありませんが、日々少しずつ体に取り込まれていくことで将来的な健康リスクを高めることが懸念されているのです。
家庭でできる対策と選択肢
PFASを100%避けるのは難しいかもしれませんが、できる範囲で対策することは可能です。
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高性能の浄水器を使う
活性炭フィルターなど一部の浄水器には、PFASの除去性能があるものもあります。購入時に「PFAS対応」と明記されているか確認しましょう。 -
ミネラルウォーターや宅配水を選ぶ
より安全な水を求める方は、水道水ではなく市販のミネラルウォーターやウォーターサーバーを取り入れるのもひとつの選択肢です。安全基準をクリアした製品を選ぶことがポイントです。 -
情報収集をする
自治体の水質情報や報道に目を向けておくことで、自分の住む地域の状況を知る手がかりになります。
まとめ
PFASという言葉はまだあまり知られていませんが、目に見えないだけで、私たちの生活の中に確かに存在しています。だからこそ、今こそ「自分と家族の口に入る水」に意識を向けることが大切です。
水道水は便利で経済的ですが、「安全性」という視点をもって選び直すことも必要な時代になっています。毎日の健康は、何気ない選択の積み重ねから生まれるもの。美味しく、安心できる水を選ぶことが、未来の自分への優しさかもしれません。