初湯
2026/02/01

新しい年の始まりを告げる元日の朝。まだ暗いうちに汲む、一年で最初の水。それが「初湯(はつゆ)」です。水を神聖なものとして大切にする習慣は、日本だけでなく、世界各地に受け継がれています。
✨初湯とは✨
初湯とは、元日の朝に汲む最初の水のことです。「若水」とも呼ばれ、その年の若々しさと清らかさを象徴する水として、古くから大切にされてきました。
この水には、邪気を払い、一年の無病息災をもたらす力があると信じられてきました。家長が早朝、静かな時間に井戸や湧き水から汲み、神棚に供えたり、家族で分け合って飲んだりする。新しい年の始まりに、最も清らかな水をいただくことで、心身を浄化し、健やかな一年を願う祈りが込められています。
一年で最初の水を特別なものとして丁寧に扱うその行為が、水への感謝と敬意を表す儀式です。現代では、井戸や湧き水が身近にない方がほとんどですが、水道水でも実践できます。元日の朝、静かに水を汲み、お茶を入れたり白湯として飲んだり、顔を洗ったりする。やり方に決まりはありません。水と向き合う静かな時間を持つことが、初湯の本質なのです。
✨世界の水文化✨
水を神聖視し、特別な日に特別な水を大切にする習慣は、世界中に存在します。
中国には、立春の日に汲む「立春水」という習慣があります。春の始まりに汲むこの水は、一年の健康と幸運を願うもので、日本の初湯に最も近い概念です。
インドのヒンドゥー教では、ガンジス川は最も神聖な川とされ、新年や祭日に多くの人々が沐浴し、聖なる水を家に持ち帰ります。イスラム教では、メッカの「ザムザムの井戸」の水が最も神聖とされ、巡礼者が大切に持ち帰ります。
キリスト教では、教会で祝福された「聖水」が洗礼や清めの儀式に使われます。文化や宗教は異なっても、水を特別なものとして大切にする心は、人類共通の美しい精神なのです。
✨まとめ✨
初湯という日本の習慣は、世界中で受け継がれる水への感謝の心と深くつながっています。
生命の源であるという水の存在そのものを、丁寧に向き合い扱うことが、私たちを繁栄させていくことにつながると無意識のうちに感じているのかもしれません。
新しい年を迎えるこの機会に、元日の朝、静かに水を汲み、その清らかさに感謝してみませんか。
水を大切にする心が、健やかで穏やかな一年を運んでくれますように。

