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世界の台風と名前

2019/09/01

日本では8月、9月に多くやってくる台風。
毎年避けられない強い風と雨で、様々な被害をもたらします。
風雨が酷くなければ恵みの雨となりますが、こればかりは人間の力ではどうにもなりませんね。

台風はいわゆる「熱帯低気圧」のこと。
この「熱帯低気圧」は地域ごとにいろいろな呼び方があります。

強さの分類基準であるトロピカル・サイクロン(Tropical Cyclone)には、北西太平洋・アジアでは台風またはタイフーン(typhoon)、アメリカなどの北中米ではハリケーン(hurricane)、その他の地域ではサイクロン(cyclone)と呼ばれるものが存在します。
これらは同一の気象現象を指し、違いは姿や大きさによる分類ではありません。
また、サイクロンは(Cyclone)一般的な低気圧の総称でもあります。

 

面白いことに、この熱帯低気圧の呼び名は、神話からきているものが多いようです。

台風(typhoon)
語源はギリシャ神話のデュポン(typhoon)、ゼウスをもっとも苦しめた怪物です。

ハリケーン(Hurricane)
語源はカリブ海の邪神ウラカーン(huracan)、「暴風の神」の名前です。

サイクロン(Cyclone)
語源はギリシャ語のkyklon(circle)、「回る」や「旋回」という意味があります。

ちなみに、渦巻きの方向は北半球と南半球で逆方向となっています。

 

また、日本にやってくる台風は発生から1号、2号と順に呼ばれますが、実は名前がついています。
この名前は、平成12年(2002年)以降、西太平洋・南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である「台風委員会」によって固有の名前(加盟国などが提案した名前)が付けられているのです。

台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」という名前が付けられました。
以降、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いていきます。
そして再び「ダムレイ」に戻ります。
台風の年間発生数の平年値は25.6個ですので、おおむね5年間で台風の名前が一巡することになるそうです。

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