紫外線がもたらす水の革命
2024/02/01
水は生命の源であり、私たちの日常生活に不可欠な存在です。
普段はあまり意識されていませんが、水は常に清潔なわけではなく、実際には処理された水を日常的に使用しています。
しかし、薬品を使用しての殺菌は水質に影響を与えてしまうなどリスクがあり、クリーンな方法での水殺菌は大きな課題となっていました。
近年、水の浄化技術は目覚ましい進歩を遂げており、中でも紫外線による水処理は注目を集めています。
今回のコラムでは、紫外線と水の関係についてスポットライトを当て、紫外線処理についてご紹介したいと思います!
私たちが普段目にしている光は赤、オレンジ、黄色、緑、青、紺、紫の七色で構成されています。紫外線とはその紫の部分の光のことで、人間の目が認識できる光よりも波長の短い光線のことを指しています。
また、紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類あり、今回の水の紫外線処理にはUV-Cの光が用いられています。
UV-Cが水中の細菌、ウィルス、その他の微生物のDNAを破壊し、この破壊作用により、微生物は増殖能力を失うため、水を安全に浄化することができます。
以前は、薬品などの化学物質を用いて水を浄化していたのですが、水の味や匂いなど水質が変わってしまうという問題がありました。
紫外線処理を使用することで、化学物質を使うことなく処理することができるため水質を変えることなく水を浄化することができます。
また、水中の微生物は紫外線に晒されることで瞬時に無力化されます。
大量の水を短時間で効率的に処理することが可能となり、この即効性も紫外線処理の大きなメリットです。
さらに、紫外線処理はエネルギー効率も高いので、持続可能な水資源の管理の一環として積極的に取り入れようという動きが加速しています。
日本の水質基準はとても高く、多くの地域で飲料水として安全な水が配給されています。しかし、世界の多くの地域では安全で清潔な水を手に入れることは簡単ではありません。
日本では蛇口をひねると水が出てくるので「水が飲めることは当たり前」と感じている方が多いかもしれませんが、これは日本において長年にわたり水の紫外線処理技術の開発に力をいれてきた背景があることが大きく影響しています。
今後も水の紫外線処理のニーズは、日本のみならず世界中で必要とされる技術となり、私たちの健康と環境の未来に大きく貢献していくことが期待されています。